リサイタルが終わり、たくさんの収穫があったことを喜び、感謝しながら過ごしています。
コンサートにお越し下さった方、周りの人を誘って下さった方、自分が来られない代わりにご友人にお勧めくださった方々など、準備期間から多くの皆様が関わってくださり、温かい気持ちで支えてくださいました。 一生懸命に私を応援してくださっていることを強く感じ、励みになりました。
一年以上前からピアノの有吉亮治さんと奥様の翼さん、白浜医院の鈴木真理子先生とチームを組み、ジャパンアーツ様にマネージメントをしていただきながら進めてきました。この連携プレーが無ければ今回のリサイタルは成り立ちませんでした。
当日は北海道、岩手、山形、新潟、福井、関西、名古屋など日本各地からお客様が集まってくださり、音楽仲間やシカゴ留学時代の友人たちが来てくれ、そして日頃から常に近くで応援してくださっている皆様に、僕にとって大事なこのリサイタルを聴いてもらえたことはこの上なく幸せでした。@Tanja Jääskeläinen フィンランド大使様にもお越し頂いて、演奏とプログラムについて良いコメントを貰い、楽器までも褒めてもらってビックリしました。
有吉亮治さんとは三年くらい前から共演を続けて信頼関係を作ってきました。一緒に弾いて音のコミュニケーションを楽しめる共演者はそう多くは無く、とても貴重な存在です。彼の音楽からいっぱいインスピレーションを受けました。
父は、昨年11月にリサイタルのプログラムを弾いたコンサートを聴いて、珍しくアドバイスをくれ、勿論リサイタル当日も来ました。会場で色々なお客様と交流して、父からも皆様にお礼の気持ちを伝えたかったのだろうと感じました。今回のプログラムは父が両手で弾けたら一緒に弾いたであろうと思う曲を無意識に選んでいました。
そして、ジャパンアーツの皆様には本当にお世話になりました。いつも父のサポートをしてくださっているお二人のマネージャーさんには、あれもこれもと広報活動のアイデア、アドバイスを頂いて積極的に宣伝していただきました。日頃、仕事以上の働きで父をしっかり守ってくださっているスーパーマネージャーのお二人には、私もめちゃくちゃ助けて頂いています。
今回の収穫
一昨年の秋に私の師匠森悠子先生 Yuko Mori に「基本をやり直したい、50歳手前では遅いですか?」と聞いてみたところ「今すぐやれば出来ます」と言ってくださり、昨年冬に集中レッスンを受けました。マジでヴァイオリンを辞めたいと思うくらい、絞られ、落ち込みましたが、あの3日間のお蔭で大きなヒントを貰い、色々と考えられるようになりました。大きな収穫。
ヴァイオリンを好きになった10代の頃の音と感触は、いまだに覚えています。しかし最近は、次々と仕事を詰め込むようになっている自分がいて、しばらく10代の頃のあの感触をつかめない時期が長く続いていたように感じます。今回のリサイタルの為にスケジュールを空けて音楽に集中する中で、答えを探し求めあの感触が少し戻ってきたように感じます。大切な収穫。
もうひとつ収穫。母は会う度にいつも「トノーニ(イタリアの楽器)で弾いて欲しい」と言い続けていました。最後に私の家に来た時も、トノーニを修理に出していて手元にないことを知ってガッカリしました。楽器屋さんのお蔭で、ほぼ10年ぶりにこの楽器の状態が良くなり、今回はトノーニで演奏できました。一昨年クロサワバイオリンのTommaso Puntelliさんにバイオリン本体のオーバーホールをしてもらい、去年の夏にミュージックプラザの木暮理一郎さん Lee Kogure の決定的なネックのリセットやset upと日頃の調整のお陰様で楽器が蘇りました。素晴らしいluthierに心から感謝しています。
これからの音楽人生のために、五感(六感?)を全部使って音楽と向き合うべきだと実感しています。
四十代最後のリサイタルを終え、既に心新たに歩み始めました。 Janne Tateno
photo by JAPAN ARTS CORPORATION
Tanja Jääskeläinen フィンランド大使様と
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photo by Yoshimasa Nakamura